5つめの手紙「るすばん編」
にゃんこから10の手紙とは?
注釈:にゃんこが呼ぶ主さん = ぬしさん
主さん、最近忙しいの?
あんまりおうちにいてくれないね。
ボクは、お留守番もしっかりやってるよ。いたずらしないで、大人しく良い子にしてるよ。
時々窓の外を飛ぶ鳥を眺めたり、窓から差し込んで来る光を追いかけたり、そうやってひとり遊びをしながら過ごしてるけど…でも、主さんがいないと時間が経つのがすごく遅く感じるんだ。
主さんがおうちにいると、一緒に遊んでくれるし、別に何もしなくても、主さんの膝の上で丸まっているだけで幸せすぎてあっという間に時間が過ぎていくんだ。
でも、ひとりぼっちでお留守番してると、退屈するし、やることが無いから寂しいんだ。
主さんがおうちにいて、ボクに色々な話をしてくれると、主さんの言葉が音楽みたいにボクの耳に心地よく聞こえるんだ。それに、主さんに撫でてもらうと、まるで最高に気持ち良い温泉につかっているような気分になるんだ。主さんの膝の上で丸まれば、あったかい毛布よりもホカホカするし、何よりも安心するんだ。
ひとりでおうちにいると、寂しさの中にポツポツって不安が生まれるんだ。
ボクが主さんのところへ来る前のことを思い出すこともあるよ。
でも、ボクはちゃーんと分かってる。
主さんは絶対帰ってきて、ボクを撫でてくれるって。
まだこのおうちに来たばかりの時は、本当に帰ってきてくれるの?ってとっても不安だったけど、今なら大丈夫。寂しさは感じるけど、でも、主さんはボクをひとりぼっちでおうちに残してどこかへ行っちゃうなんて、絶対しないから。
だからボクは良い子にして待つんだ。
いたずらすると主さんが悲しい思いをするからね。
おうちで静かにひとりで待つの。それで、このおうちに来る前のことを思い出してしまいそうになったら、大急ぎで楽しい思い出をたくさん思い出すの。
主さんと一緒に遊んだ思い出とか、ボクの大好きな「生」ごはんを食べた時の幸せな気分とか、それから主さんの膝の上でウトウトお昼寝しちゃったときの温かさとか。
そうやっていると、不安な気持ちはどこかへ行って、ボクは少しだけ安心したような気分で、主さんの帰りを待てるんだ。
今日もボクは主さんの帰りを、心待ちに待ってるよ。
なるべく早く帰ってきて、ボクに寂しい思いをさせないでね。