皆さんはおうちの猫が毎日おしっこをしているかどうか、チェックしていますか?
特に、おうちの中で猫を複数飼っていたり、1日の中で時々お外に出していたりすると、なかなか1頭ごとにおしっこがちゃんとできているかどうか確認するのは難しいかも知れません。
しかし、毎日の排尿の有無はとっても重要で、発見が遅れると最悪の場合腎不全により命の危険があるケースまでありますので、しっかりと確認するようにしましょう。
<尿道閉塞とは?>
おしっこは腎臓で作られ、尿管という道を通り膀胱で一時的に貯められます。
そうして溜まったおしっこは、排尿のタイミングで尿道を通り、不要となった老廃物とともに体の外へ排出されます。
この尿道が結石や血の塊、炎症などで詰まってしまい、おしっこがしたくても出来ない状況のことを尿道閉塞と言います。
尿道閉塞は圧倒的にオス猫に多いです。それはなぜでしょうか?
オス猫の尿道は、メス猫と比べると長くて細いため、結石や膀胱炎などで生じた血の塊などが詰まりやすいのです。
だからこそ、オス猫がおしっこをしているかどうか、注意して見る必要があります。
<尿道閉塞をいち早く見つけるには?>
尿道閉塞によりおしっこが出せない状況が続くと最終的には腎臓へ負担がかかり、急性腎不全や尿毒症となってしまうことがあります。
丸1日おしっこが出せていないと急性腎不全などの危険があり、時間が長くなれば長いほど病態は悪くなります。
そうして壊れてしまった腎臓は動物病院で治療しても治らないことがあり、早期発見が大切です。
ではどのような点に着目すれば、オス猫の尿道閉塞をいち早く見つけることができるでしょうか?
膀胱におしっこは溜まっているものの、外に出せない状態の猫では以下のような異常行動が見られます。
・トイレに入って鳴く
・何度もトイレに入ったり出たりを繰り返す
・トイレで力んでもおしっこが出ていない、あるいは少量しか出ていない
・ネコ砂やペットシーツに付いたおしっこの色が赤い
・普段と様子が異なり、落ち着かない
このような行動・症状が見られる場合には、尿道閉塞の可能性があるため、すぐさま動物病院へ相談しましょう。
大切なのは、普段からおうちの猫がしっかりとおしっこを出せているかどうか確認しておくことです。
そうすることで、おしっこが出ていない時にすぐ気付くことができるでしょう。
<予防方法は?>
猫はもともとあまり水を飲まない動物です。
そのため、猫の腎臓は摂取した水分が少なくても生活できるようにおしっこを濃くする力が強いとされています。
また、水分をとらないため猫の身体は脱水しやすいことにも注意が必要です。
水分の摂取量が少ないとおしっこは濃くなりやすく、結石も出来やすいと言われます。
そのため、いつでも新鮮で綺麗な水を飲めるよう心がけましょう。
あるいはフードに水分を混ぜて与えたり、ドライフードだけではなくウェットフードも与えることで、水をご飯と一緒に食べさせるようなイメージでも大丈夫です。
中でも動物病院で今までに尿路結石を指摘された子は要注意です。
尿石の種類によっては、ご飯やお薬で溶かせたり再び作られないようにすることが可能ですので、獣医師の指示に従いましょう。
<まとめ>
尿道閉塞という言葉は、あまり聞き慣れない言葉だったかも知れません。
しかし、オス猫を飼っている方は特に覚えておいてほしい状態です。
ご紹介したトイレにまつわる異常な行動や症状が見られた際には早めに動物病院へ相談しましょう。
発見や治療が遅くなると、急性腎不全や尿毒症となってしまうことがあり、治療しても助からない可能性があります。
普段からおしっこをしているかどうかは欠かさずチェックしておきましょう。