おうちの猫がコンコン、ケホケホと咳のような症状を示している、なんだか時々呼吸が荒い時がある、など息苦しいのかなと思うようなことはありませんか?
実は猫が犬のようなパンティング(=口を開けて舌を出して行う呼吸)をしている時、何らかの異変が身体の中で起きていることが多いです。
またちょっとした異変では滅多に咳をしない動物なのです。
その症状、もしかしたら猫喘息かも知れません。
<猫にも喘息が起きるの?>
喘息は世界でも3億人の患者がいると言われるほど、人医療の世界では有名な病気です。
実は、猫は人を除くと唯一喘息を発症する動物と報告されており、喘息を持っている猫は少なくありません。
喘息は、アレルギー反応が原因として生じる呼吸器疾患です。
なんらかの物質(=アレルゲン)により、気道や気管支という、鼻から肺までの空気の通り道が狭くなることで症状が現れます。
現時点では、猫の喘息がどのような物質が原因で生じているのか、具体的に証明されてはいませんが、
・ダニ
・ホコリ
・花粉
・観葉植物
・タバコの煙
・トイレに使用しているネコ砂
・香水やフレグランスなどの化学物質
などが原因物質として疑われています。
このようなアレルゲン物質との接触があり、その物質と猫の身体が反応してしまうと、基本的にはどんな年齢、性別、猫種であっても喘息を発症する可能性があります。
<喘息の猫の症状は?>
人と同じように、喘息を発症した猫では呼吸器における異変から症状を発症します。
・呼吸困難
見るからにいつもより呼吸が苦しそう。呼吸する回数が普段と比べて明らかに早い。呼吸をする際に口を開け、舌を見せながら呼吸している
・異常な呼吸音
息をする際に普段は聞こえない音が聴こえる。ヒューヒュー、ゼェゼェ、ガァガァなど。喘息により空気の通り道である気道や気管支が狭くなっており、呼吸する度に異常な音が鳴る
・チアノーゼ
舌の色がいつもより青紫色に見える。一方で呼吸が問題ない状態であれば、酸素を十分に取り込むことができるため、ピンク色に見える
・咳
コンコン、ケホケホなどいわゆる乾いた咳をする。痰が絡んだり慢性化するとややこもった咳をすることもある
このような呼吸器症状が見られた場合には、猫喘息のサインかも知れません。
また猫喘息の特徴として、症状が現れる時間帯にも注目します。
猫における喘息発作の多くが夜中から明け方に見られることが多いため、ご家庭の子がいつどの時間帯に苦しくなりやすいかチェックしておきましょう。
注意点としては、喘息の症状は他の様々な病気による症状と似ていることがあります。
特に、今回ご紹介した息苦しさを伴うような症状では、命に関わる重大な病気が隠れていることもあるため、早い段階でかかりつけの獣医さんへ相談しましょう。
喘息と診断された場合、残念ながら一生涯付き合っていくことになります。
炎症を抑えるためのお薬やネブライザーという吸入治療などで継続的に動物病院に通う必要があります。
<まとめ>
猫が咳のような症状をしていたり、息苦しそうな呼吸をしていた場合には喘息かも知れません。
しかし、同じような症状は喘息以外にも何らかの異変があることが多く、中には命の危険まで及ぶ重大な病気のことがあります。
早期発見が大切ですので、早い段階で動物病院を受診しましょう。
また喘息の場合には、継続的な治療と環境改善が大切です。
香水をやめたり、タバコの煙に晒さないようにしたり、トイレのネコ砂を変えてあげることで、呼吸状態がよくなるかどうか見ていきましょう。